
音数が多いと発生しやすくなる問題です。
各パートのEQやボリューム、パンである程度は解決できますが、もっと手っ取り早くいい感じにしたい方法があります。
それがボーカルサイドチェインです。
デモ制作時の時間短縮に。
オケに埋もれないようにする保険として。
様々な場面で活用できるテクニックです。
下記のツイートをしました。
ボーカルの音量に対してオケの音量を下げる「サイドチェイン」はミックスダウンにも使えます。
— youtube音楽家イトゥー (@itomusicman) July 6, 2019
うっすらとサイドチェインをかけることにより、どんなに音量変化があるボーカルでも決してオケに埋もれる事はありません。
簡単、スピーディ、明瞭にミックスが可能で時間短縮にもなりますよ!
🌴今日の動画🌴
ボーカルがオケに埋もれないミックス方法の「ボーカルサイドチェイン」を動画で解説しました。
【初音ミクで学ぶボーカルサイドチェインの使い方!】
時短&クリアなボーカル像を実現できる実践テクニックです。
簡単なのでぜひ!#ミックスダウン#初音ミクhttps://t.co/pLjniUlGfc
— youtube音楽家イトゥー (@itomusicman) July 27, 2019
ボーカルの音量に対してオケの音量を下げる「サイドチェイン」はミックスダウンにも使えます。
うっすらとサイドチェインをかけることにより、どんなに音量変化があるボーカルでも決してオケに埋もれる事はありません。
簡単、スピーディ、明瞭にミックスが可能で時間短縮にもなりますよ!
もちろん全体の音質・音量バランスを整えた前提条件があります。
しかしボーカルがオケに埋もれてしまうという最悪の結果を生み出さない有効なミックスダウンのテクニックの一つです。
ボーカルにサイドチェインをかけるとメリットが多い
サイドチェインの復習
まずは簡単にサイドチェインの解説です。把握している場合は飛ばしても問題ありません。
サイドチェインというのはコンプレッサーを使った手法の一つ。
ブワンブワンと独特のノリが生まれるんですよね。
以前はEDMで多用されていましたが、今はどのジャンルでも聞くことができます。
「キックの音が鳴った瞬間に指定するパートの音量を下げる」というものです。
この時”キックをトリガーにしてサイドチェインをかける”と表現します。
■サイドチェイン無し
■サイドチェインあり
キックの音が鳴っている時にベースの音量が下がりますね。
これがサイドチェインをかけている状態です。
このテクニックをボーカルに応用するのが今回ご紹介するテクニックです。
要するに”ボーカルの音が鳴っている瞬間にオケの音量を下げる”という事です。
ボーカルサイドチェインとは?
ボーカルの音が鳴っている瞬間にオケの音量を下げる簡単ですよね!
ボーカルサイドチェインのかけ方
上記のツイートに埋め込んだ動画と同じですが、見やすいように再度載せます。
ableton liveで解説していますがどのDAWでも共通した考え方です。
サイドチェインのかけ方
①まずはボーカルとオケの大きく2つにトラックをグループ分けします。②ボーカルトラックをトリガーにし、オケにサイドチェインをかける。
③かかり具合はスレッショルドで調節します。
間違えて逆(オケをトリガー)にしてしまうと今回の効果が発生しないので設定には注意が必要です。
かかり具合はスレッショルドで調節します。
まずはスレッショルドを深めに設定し、不自然にオケが下がる状態から開始すると判断しやすいですね。
徐々にスレッショルド値を浅くしていき、全体の音量バランスが違和感無く自然になる位置を導き出します。
この時の適切な数値というのは存在しませんが、経験上3dB以上オケ音量が下がる(深くかける)のは音が変になります。
うっすらとかかるだけで十分です。
効果が聞き取れないけど確かにかかっている、というのが理想なんです。
次にリリースタイムで戻りスピードを設定します。
動画ではコンプレッサーに搭載されているサイドチェインの機能を利用しています。
おおよそどのサイドチェインエフェクターにもリリースタイムを設定する箇所が準備されているはずです。
歌が無い空白の部分になったらオケを下げている音量を戻す、その戻りスピードをリリースタイムで調整します。
仮にリリースタイムが短いと短い時間でオケ音量が上下するのでものすごく違和感につながります。
反対にリリースタイムが長いとオケが下がった状態が維持され、ボーカルばかり妙に目立つ音源になり、これも違和感に。
ちょうど中間を目指します。
コツとしては「ボーカルが鳴り終わって、コンプレッション値がオケのテンポに対しすーっと戻る値」という感覚です。
ちょっとわかりにくいですね。笑
曲のテンポに近いタイミングでオケ音量が戻ると自然に聞こえる、というニュアンスです。
サイドチェインの特性上オケは確実にボーカルを越えない
このテクニックの最大の特徴は「ボーカルが聞こえる時にオケ音量が下がるので100%ボーカルが埋もれない」という点です。したがって、
・歌が聞きやすくなる。
・設定も簡単。
・ミックスの時間短縮にもなる。
というメリットとして得ることができます。
一度このボーカルサイドチェインの効果を理解すると、必ずと言っていいほど設定してしまう秘伝のテクニックです。
簡単で効果抜群なのでぜひ取り入れてみてください(*´∀`*)
なじまないボーカルにも効果大です!
まとめ
このサイドチェインを応用するとギターソロにも使えますよね。ギターが鳴っている瞬間にオケを下げるので細かなフレーズも聞きやすくなります。
クラブミュージックで「キックとそれ以外」にグループ分けして、全体にかける。
すると確実にキックは前に出て聞こえるのでクールに!!
ボーカルだけではなく色々なタイミングで活用できそうです。
「サイドチェインはベースにかけるもの」という固定概念を無くして、スッキリクリアな音源にしましょう(*´∀`*)