【ボーカル録音のコツ】これを意識すれば最高の録音テイクになる!【奥義】
ボーカル録音は正解がありません。
ちょっとした感情の入り方、声の出し方、音程の揺れ具合。
正解が無く、そして同じものが2つとして存在しません。

まさに無限の宇宙の世界からたった一つのベストテイクを掴み取るもの。
しかも歌い手さんの声にも時間にも限界があるので、永久にベストテイクを追求することも不可能。
予測不能だからこそ人の感情を動かせる、それが歌声の力だと思っています。

 

今回はそんな実態と正解の無いボーカル録音の際に『最小限で最大限のテイクを判断する録音時の視点』についてです。

 

ボーカル録音の際に注意するコツ

ボーカル録音のコツ①:歌の印象を徹底的に気をつける

ライオンが吠える鳴き声やすごいスピードで横を通る車の音。
音だけ聞いても怖いですよね。
こうした音を聞いて「カワイイ(*´∀`*)♪」って思わないんです。

当然ですが人間には音はこう聞こえるんです。
怖い音=怖く聞こえる。
楽しい音=楽しく聞こえる。
悲しい音=悲しく聞こえる。
カワイイ音=かわいく聞こえる。
かっこいい音=かっこ良く聞こえる。
「は?当たり前じゃん!」
と思うかもしれません。

でもこの当たり前が”ボーカル録音”という段階になるとポロッと抜け落ちるんです。

『録音中は良かったのに、編集の時聞いたら微妙なテイクだなと印象が変わってしまうのは録音あるあるの一つではないでしょうか。

この様な事態に陥る原因はやはり「音の与える印象を深く意識していない。」「録音の意識するポイントを抑えていない」からだと考えられます。

 

 

歌を聞いている人にかわいいと感じてもらいたかったら「カワイイ声(カワイイ音)で歌う」というのを意識する必要があります。

勢いのあるノリノリの曲だったら???
「楽しくてスピード感のある声」だとお客さんにそう聞こえるっていう事になりますよね。

単純な事ですが、この事を意識するだけで聞いた印象はガラッと変わります。
だからこそ録音の前に曲のコンセプトを歌い手さんや全員で共有・把握しておくのは大切です。

 

特に何度も録音テイクを重ねたり、疲労が表れた時はブレやすくなるので常にどういった印象の曲にするかを意識すると歌に安定感も持たせられます。

 

ボーカル録音のコツ②:なじまない原因を知る

漠然とボーカル録音を始めると困った問題も発生します。
それはオケと歌声がなじまない現状。

 

音質面が原因の場合ももちろんありますが、【オケと歌の温度差】がなじまない要因になっているケースもあります。

極端に言ってしまえば「オケはめっちゃテンション高いのに、歌は淡々と普通。」といった感じでしょうか。
色で例えるなら『オケが、歌がというニュアンスですかね。
なじんでいないです。

オケが、歌がピンク』くらいだったら一体感が生まれますよね。

 

同じ【楽しい】という感情でも「一人でいる楽しさ」「複数人で一緒の時の楽しさ」「テンション爆上げでヤバイ楽しさ」「顔には表れるほどではない、ちょっと楽しい状態」など色々あります。

作品に対してどういった楽しさだとオケと歌声がぴったり一致するのかを突き詰めて考える必要があります。
そうすると自ずと楽曲の方向性がビシッと定まり、エネルギッシュに生き生きとするはずです。

 

ボーカル録音のコツ③:語尾に注意をしなければいけない!

以前これはツイッターで投稿しました。
言葉の最後の部分が【語尾】。
実はこの部分がめちゃくちゃ大事なんです。

声を聞いただけで相手が「怒ってるかもしれない・・・泣」って思った経験がありますよね?
これは語尾の印象が影響しています。

例えば

「早く起きなさい!」

と言われたとすると、語尾は『い』になります。
この『い』が怒っている様に聞こえると「ヤベ、怒ってる・・・」と感じるのです。

『早く起きなさ』までだと、どんな感情なのか判断できないのです。
語尾の『い』の音のニュアンスを聞いて始めて感情が読み取れるのです。

 

これを歌に当てはめても同じ。
歌詞のフレーズの最後の言葉ににじみ出た感情を深く読み取ろうと意識します!
気を抜いてはいけない大事な部分なんです。

 

得に歌の経験の少ない人は音程や全体の雰囲気を重視するあまり語尾の重要性は、ほぼ意識していません。

語尾が適当なまま完成させようとすると、【感情が抜けている→語尾の印象が悪い→オケと温度差発生し上手くなじまない→ミックスが上手くいかない→微妙な仕上がり】という結果になりやすくなります。

語尾で受ける感情が変わる、ということはボーカルさんにも事前に説明しておく重要なポイントだと考えています。

 

ボーカル録音のコツ④:下がる音こそ楽しく歌う!

楽曲にもよりますが基本的にメロディが下がって終わると「しっかり着地した感」が生まれますよね?
安定感があるので「楽しい弾む印象が弱まり、暗いベクトルの音に捉えられやすい」心理が生まれます。
童話「チューリップ」
どの花見ても きれいだな
※歌の最後部分
 

この「きれいだな」の部分って段々メロディが下がっていきますよね。
下がっていくとどうしても安定感ある着地の印象から明るさは弱まって聞こえませんか?

この事から下がり方向のメロディには注意が必要となります。
「メロディは下がるけど明るく聞こえるようにする」という気持ちで歌うのが大事なのです。
・下がるにつれて笑顔で歌う。
・下がるにつれて気持ちは上がっていくようにイメージする。
・下がるにつれて声量を上げていく。
とやるだけでもいい感じになります(*´∀`)

 

ボーカル録音のコツ⑥:音の長さで印象も変わる!

同じメロディでも短めに・はずむように歌う、いわゆるスタッカート気味にすると楽しく聞こえます。
反対に切らずに歌うとダラダラ感が出てしまいがちですが明るさとは反対のニュアンスになります。

ここを意識して楽曲にあった歌い方を探ります。

 

ボーカル録音のコツ ⑦:遠くに向かった声

録音の際はマイクが目の前なのでどうしても『近くで歌っている声』になりがち。
人間はある程度大きい声を出したほうが「その人のいい声」に歌の場合はなるので、
遠くにいる人に向けて歌う様にイメージするといいんです。

 

まとめ

今回は僕の12年間録音をしてきた中で重要だと感じたものを記事にしました。

最後に以前ツイッターでツイートした僕が録音の際に同時並行で意識しているポイントを載せます。
ボーカル録音という宇宙の旅の”道しるべ”になれば嬉しいです。
①音量レベルは適切か?
②音質はこもったり、シャリシャリした音になっていないか?
③マイクからのヒスノイズ・無駄なリップノイズは入っていないか?
④歌のスピードは遅れたり早まったりせず、リズムにあっているか?
⑤歌詞は明瞭かどうか?
⑥声の雰囲気が全体を通して一定に保っているか?
⑦その声を聞いた人が違和感を覚えるようなものになっていないか?
⑧聞いた人が作品に沿った適切なイメージを頭に浮かべるかどうか?
⑨マイクと口との距離は一定か?
⑩一部がNGの場合、別に録音したテイクの同じ部分と差し替え可能か?
⑪歌い手さん側に送るBGM・声の返しのレベルは適切か?
⑫歌い手さんが疲れていないか?(集中してるか)
⑬Aメロ・Bメロ・サビなど、全体を通してメリハリが出ているか?
⑭歌が感情の入っている音になっているか?
⑮歌詞が巻き舌になっていないか?
⑯歌の語尾が不安定になっていないか?
⑰歌の語尾を聞いた印象が合っているか?
⑱音程が上がっているのか・下がっているかの判断
⑲テイクをつないだ時でも雰囲気が変わらないように一定になっているか
⑳何回か録音した場合、どこにどのテイクがあるかの管理で混乱していないか